『龍神の雨』(道尾秀介著)を読み終えました。
断捨離の流れで積読を立て続けに読んでいっているので、それぞれの著者の個性が際立ちます。
道尾秀介さんは、東野圭吾さんや雫井脩介さんの後に読むと、ちょっと文体に癖を感じましたが、ストーリーは面白かったです。
中盤まで、これはあくまで娯楽だな・・と思いながら読み進めましたが、終盤で作者が述べたかったことが分かり、胸を打たれました。
自分の人生は、たとえ何かに突き動かされているように感じることがあっても、
実のところはすべて自分の行動の積み重ねであり、
ふと後悔に気づくころには、往々にして、時すでに遅し。
思わず耳をふさぎたくなるような定説です。
特に、もう二度と会えない家族に対する後悔は本当に救いが無く、
過去に学んで今を真剣に生きるべきだなんて、そんなNHKみたいなことを言われても気持ちがついていけません。
それしか選択肢が無いのはわかっていても、そんな理屈通りに生きられる人って、どれだけいるんでしょうか。
こうやって悩みながら歩むのが、人生なのかな。
『龍神の雨』を読み終えて、そんなことを悶々と考えています。